アギーレ、選手と会長が真っ向から対立
更に、問題を複雑にしているのは、アギーレが返却したと言っている金額をこの件の張本人と見られている当時のサラゴサ会長アガピト・イグレシアスが「受け取っていない」と主張していることだ。実際、その返却されたはずの金額は公にはまだ見つかっていない。
同元会長によれば、その振込は試合で頑張って欲しいという励ましの意を込めた報奨金であり、理由がわからないから返却したと話すアギーレやサラゴサの選手達の意見とは真っ向から対立している。
アガサ・クリスティの小説のごとく、関係者が必ず真実を述べるとは限らないというのが現状であり、バレンシアの予審裁判所はまさにその嘘と真の見極めを行なっている最中と言えよう。
但し、ここで一つ見落とせない鍵になる出来事がある。2011年のレバンテの選手達の銀行口座の動向だ。八百長疑惑のあるこの試合の後、選手達は殆ど、銀行の預金口座を使っておらず、100ユーロすらおろしていないとの報告があがっている。
夏の休暇なども現金でほぼ支払っていることが調査でわかっており、そういった事実と付き合わせて6月23日、最後の事情聴取が行なわれた後に決定が下される予定だが、現状ではクラブの全関係者が何らかの処分に問われることになるだろうと見られている。
ハビエル・アギーレの八百長疑惑がすぐに晴れるだろうという楽観には、ほど遠い。既に複数クラブから、オファーを手にしていると言われるアギーレだが、ピッチで指揮をとる姿が見られるのはまだ先になりそうな気配だ。
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