起点となるプレイヤーの不在で攻撃の組み立てが機能せず
しかし、香川が投入された際の、バイエルンも含めたドルトムントのチーム状況を考えてみると、やはりビルト日曜版の「4」という採点は、適切なのかもしれない。
引いて固めようとするバイエルンを相手に、0-1という状況で、香川はラモスとともにピッチに送り出されている。残り時間は23分。1点を奪うために、多くはないが、少なくもない。
香川には、ボールを持っている、持っていないにかかわらず狭いエリアでの味方との連動による崩し、ラモスにはオーバメヤン以外のロングボールのターゲットを増やす、といったミッションが託されたのだろう。
しかしプレッシングからの速攻を基本的な性格とするドルトムントは、ボールを持たされた時に、どのように攻撃を組み立てたらいいのか分からず、まごついてしまうところがある。
香川が「みんなが待っている状況が多い」と指摘するように、バイエルン戦ではポゼッション・スタイルの起点となるプレイヤーがいなかった。中盤の底でピルドアップを担うことの出来るサヒンを欠いていた。
ギュンドアンに「5」が付いた理由は、そういったところだろう。サヒンがいないのであれば、ギュンドアンはビルドアップの起点としての役目を担わなければならなかった。
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