ドルトムントに欠けていた「イマジネーション」や「アイディア」
ロッベン、リベリーを欠いたこともあるだろう。ドルトムントの有効なプレスで、バイエルンは理想主義を修正せざるを得なかった。チアゴの投入でボールポゼッションをわずかに回復したが、5-3-2で引いて守らざるを得なかった。
ドルトムントは、バイエルンの理想を奪うことには成功した。しかしそれは、返って自らの首を絞めることとなってしまった。
引いたバイエルンの「最後の3分の1」でドルトムントに問われるのは、香川の言う「イマジネーション」や「アイディア」だった。無得点の頃に、ビルドアップを試みたバイエルンに対して問われたプレッシングの質ではなかった。
投入後の23分間について香川は「効果的なポゼッションは出来ていなかった」と振り返る。ドルトムントはボールを持たされて、バイエルンがゲームをコントロールしていた。
結果的にバイエルンの現実主義者としての顔を呼び覚ましてしまったドルトムントは、0-1のスコアで、2015年4月4日のブンデスリーガ第27節を落とした。
「いかに勇気を持って前を向いて仕掛けられるか」
プレスの激しい「最後の3分の1」で必要なこと――。香川はそう口にした。
ドルトムントの「勇気」は、シーズン終了まで問われ続けることになりそうだ。
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