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香川真司 10年前

自らの首を絞める結果に――。ドルトムントが奪ったバイエルンの理想。香川が語る「3分の1の勇気」

ブンデスリーガ第27節、ドルトムントはホームでバイエルンに0-1で敗れた。内容では確実に上回り、バイエルンの長所を消したドルトムント。しかし、それこそが自らの首を絞める結果となった。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「自分たち自身のボールポゼッションは良くなかった」

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「前半戦は信じられないぐらい難しかった」とグアルディオラ監督【写真:Getty Images】

 香川真司が投入された67分、ドルトムントに対してバイエルンは、現実主義者としての姿を見せていた。

 香川は振り返る。

「最後のところは引いて守っていた」

 ベナティア、ダンテ、ボアテングの3バックを中心に、ベルナト、ラフィーニャの左右両ウイングバックも下がる。「最後のところ」を5枚と、アロンソ、チアゴ、ローデのトリプルボランチも「引いて守っていた」。

 バイエルンの3バックに、去年8月、ドルトムントに敗れたドイツ・スーパーカップの頃のような不安定さは影もない。いよいよ完成に近付いているのかもしれない。

 前期の一戦ではアロンソは香川に潰されたが、反対に今日はアロンソが香川に仕事をさせなかった。

「相手も最後のところは激しく来ていましたし、そこでボールを自分が受けられなかった」

 引いて固める。0-1のまま逃げ切るために、特に今季のドルトムントに対して極めて現実的な手段だった。それは同時に、実にバイエルンらしからぬ姿でもあった。ボールを保持し、敵陣でプレーし続けようとする理想はどこにもない。

 ラームは振り返る。

「僕たちは良く守備をしたけど、自分たち自身のボールポゼッションは良くなかった。支配率は少なすぎたね」

 ペップが振り返る。

「前半戦は信じられないぐらい難しく、後半戦はとても良く守ったが、しかしまた良くプレーしなかった」

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