本田に純粋なウイングとしての適正は無し
真の理想は、メネズの高い能力をしっかりとチームに組み込むことだが、世界中で去就が取り沙汰され、フロント陣から強烈なプレッシャーを浴びているインザーギ監督にチーム作りをする時間はない。目先の勝利を追い求めることを批判することはできないだろう。
低迷するチームの立て直しを託された新監督にとって1シーズンでは不十分だ。リバプールのブレンダン・ロジャーズ監督が昨シーズン優勝争いを繰り広げるまでのチームを作り上げた背景に、7位に沈みながらも一貫したビジョンを持って取り組んだ一昨シーズンがあったように。
そして、この試合を負傷欠場した本田圭佑。このままチームが個人技頼りの攻撃を続けるのであれば、彼の出番は限られたものとなるかもしれない。
「しっかり守って個人技」の戦術では、より単独での突破ができるチェルチの方が優先順位は高くなる可能性は十分に高い。
キャリアの初期はサイドアタッカーだった本田だが、現在は間違いなく中央でプレーすべき選手。今季序盤のミランはそれを逆手に取った戦術だったからこそ結果を残せたが、純粋なウイングが必要となる現在では本田に適正はない。
そして、その本田と同様にビジョン無きチームの犠牲となるのが最前線で孤立無援のデストロである。
【了】