「これで過去を忘れられる。希望が見えた」
ザッケローニ監督の下での4年間は、ボールをキープして主導権を握るスタイルを貫いていたものの、それは世界の舞台では一切通用しないことが明白となっていた。それだけにチームの軌道修正は不可欠なものとなっていた。
そして、27日に行われたチュニジア戦。DF藤春廣輝とFW川又堅碁が代表初キャップとなり、DF槙野智章やFW永井謙佑といった長く代表から遠ざかっていた選手も先発に起用されたために連携面ではまだまだ完成度が低かったものの、指揮官の求めるスタイルの片鱗は示すことができた。
試合後、MF長谷部誠が「球際で戦う部分やアグレッシブさとか、試合の中での強度っていう部分では間違いなく上がっていたと思う」と語れば、DF吉田麻也も「監督の要求に応えようというプレーは見られたし、クオリティは抜きにしてもそういう姿勢はよかったんじゃないかと思う」と手応え示していた。
その中で迎えたウズベキスタン戦、ハリルホジッチ監督は前日会見で「メンバーは1試合目と全く違う。少しリスクがありすぎるかもしれないが、ほぼ全員の選手を使いたい」と語った通りに先発11人全員を入れ替えて臨んだ。
結果は5-1。内容でもチュニジア戦以上に激しいプレスを仕掛け、目まぐるしく展開するスピーディーな攻撃を実践したことは誰の目にも明らかだった。
そして何より、前半にMF青山敏弘が代表初ゴールを決めれば、後半には途中出場のFW宇佐美貴史と川又も代表初得点。さらには岡崎の2試合連続得点と柴崎も岡崎のお膳立てを経て得点を記録。ポジティブな要素が多く詰まった勝利となった。
試合後、宇佐美が「少しでも監督の求めるサッカーを体現する選手になれれば」と信頼を示せば、W杯以来の代表戦でゴール決めた青山は「これで過去を忘れられるし、自分の中でまたサッカーも変わる。希望が見えた」と胸の内を明かした。