「やっぱり大事なのは負けた時、うまく行かない時」
けれども、新指揮官の言っていることだけやっていればいいわけではない。今回は初陣であるがゆえに、基本的にはコンセプトを実践することが第一だったが、あくまでピッチ上でプレーするのは選手たちだ。
相手の出方やレベル、自分たちの状況を考えながら、戦い方を変えていけるような柔軟性や臨機応変さを持たなければ、本当に世界で勝てる集団にはなれない。シャルケというUEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント常連チームにいる内田はその重要性を誰よりも強く強調していた。
「監督の言ってることは普通だし、そんな難しいことは言わない。今まで何人も監督の指導受けてきたけど、だいたい言うことは同じ。足使って細かい速いパス、ショートカウンター使ってみたいな。それを監督がどこまで細かく言ってくるかじゃないかな。
みんなはどう思ってるか分かんないけど、ヨーロッパでは普通のことだし、俺はそんなに気にしてなかった(苦笑)。自分でやって怒られたらやめればいいしね。今回は結果が出たけど、やっぱり大事なのは負けた時、うまく行かない時。そこで俺らも監督もどうするかが一番大事。勝ってる時は何したって勝つんだから。勝負事なんてそんなもんだから」と気持ちを引き締めた。
確かにアルベルト・ザッケローニ監督時代も、初陣でアルゼンチンを1-0で撃破し、2011年アジアカップ(カタール)も優勝するなど最高の出足を見せた。が、肝心のブラジル大会では惨敗に終わった。
ハリルホジッチ監督率いる新生・日本代表が同じ轍を踏まないためにも、今回の2連戦の収穫と課題を確実に今後に生かす必要がある。タテへの意識、守備面での激しさを維持しつつ、自分たちで判断できる集団へ変貌を遂げていくことが、彼らの今後のテーマだ。
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