「まだまだ上に行けるんじゃないかと思います」
「ブラジルなんかは、あのくらいのスピードでホントに質が高い。インテンシティーの高い中でテクニックにこだわってプレーすれば、かなり向上の余地がある。大変さを感じつつも、自分の中ではトライしていくことが新鮮だし、楽しみな気持ちでいっぱいですよね」と本人はとにかくポジティブだった。
とはいえ、速さと正確さを両立させるのは容易なことではない。高度なボールコントロール技術やチーム全体の連携はもちろん、高い位置でボールを奪う組織的な守備も求められる。
前半35分に今野泰幸(G大阪)がDFからボールをカットし左外の香川に展開して決定機が生まれた場面、あるいは直後に岡崎が本田を狙って出したスルーパスが相手に当たって引っかかったが、それでも諦めずにボールを拾ってつないだことで、本田から乾に決定的な浮き球のパスが入った場面など、効果的なタテへの攻めが出たシーンは必ずと言っていいほど高い位置でボールを奪えていた。こうした守備意識の変化を香川も感じ取っていたという。
「僕らが行ったらボランチ、SB、CB含めて高い位置を取って連動した守備ができるってことはすごく楽しいですし、チームとしての守備意識がすごく連動してるところがある。それを高めていけたらホントに素晴らしいディフェンスができると思います」と、彼は所属のドルトムントに近い戦術に自信と手ごたえをつかんだようだ。
岡崎も「監督のやる気っていうか、1から変えようとしている熱意を感じる。そこは自分も感じたことと共通している部分もあるんで、積極的にトライしたいなと。まだまだ上に行けるんじゃないかと思います」と言うように、日本代表の大黒柱と位置づけられる面々が揃ってハリルホジッチ流を歓迎していることはいいこと。
それで2連勝、しかもウズベキスタン戦で5-1という大勝したのだから、彼らの士気も高まるはずだ。