日本代表の前監督ハビエル・アギーレ氏【写真:Getty Images】
日本代表の前監督ハビエル・アギーレ氏は27日、八百長疑惑による事情聴取を受けるためにバレンシア裁判所に出廷。口座への入金の事実を認めるも自身の同意なしで行われたと供述していると、スペイン紙『マルカ』が伝えている。
同紙によればアギーレ氏は裁判官に対し、検察が訴えた2011年5月27日と29日にサラゴサが自身の口座に振り込んだ5万ユーロ(約700万円)と3万5000ユーロ(約490万円)の入金を認めるも、事前に把握してはおらず「同意はしていなかった」と供述した。
これに対してサラゴサは「ボーナスのようなもの」と説明したという。
事の真相を把握しきれてはいなかったアギーレ氏は、返金に関して自身の口座の担当者に問い合わせた際、「既にサラゴサと話をして解決していた」と伝えられたと主張。
前日本代表監督は、銀行を訪れた時に未開封の封筒を受け取り、開けずにサラゴサに返したと裁判官に話したという。これに対し弁護士1人は、払戻請求書に署名したかと訊いたが、アギーレ氏は「口座の担当者との深い信頼によって特に気にとめず、目の前に出されたものすべてに署名していった」と返答した。
問題は当時サラゴサの会長を務めていたアガピト・イグレシアス氏の証言である。スペイン紙『エル・ムンド』によればアガピト氏は、“残留ボーナス”として選手と監督に振り込んだ金額は「それ以来返ってこなかった」と証言している。
これに対して裁判官は何故残留が確定する前に支払いが行われたかと問い詰め、アガピト氏は「残留に成功できなかった場合は各自の給与から削る予定だった」と答えた。
アギーレ氏の他にも、当時サラゴサの主将を務めていた現アトレティコ・マドリーのMFガビの「ボーナスは返した」という証言に対してアガピト氏は「自分が何を言っているかは各自が分かっている」と暗に否定した。
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