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日本代表 10年前

固定は禁物だが――。ハリル流を体現した“チームの心臓”長谷部。若手の最高の手本に

text by 河治良幸 photo by Getty Images

長谷部を手本に。求められる若手の突き上げ

 ロシアW杯の時に34歳となる長谷部がすでにハリルホジッチ監督の基本コンセプトを理解し、プレーで表現していることを考えれば、彼自身のクオリティがここから大きく向上するというのは難しいかもしれない。

 しかし、見方を変えればプレーの指標となるべき選手がいることで、周囲の選手が引き上げられ、相乗効果を発揮することで、チームのパフォーマンスが高まるだろう。

 だからと言って、今から長谷部をチームの軸として固定すれば過去のチームの二の舞になりかねない。チュニジア戦で自陣の守備では資質の高さを見せながら、高い位置のプレスやパスのつなぎ、飛び出しなどに課題を残した山口蛍、この日は出場機会が無かった柴崎岳や青山敏弘の突き上げが求められる。

 ハイレベルな競争の結果として3年後に長谷部がレギュラーを張り、キャプテンマークを巻いていることは問題ないが、今から絶対的な存在として頼り続けるのは危険だ。

「リスクはあるが、色んなプレーヤーの情報がほしい」と語るハリルホジッチ監督も、ウズベキスタン戦に限らず、予選を戦いながら若い選手にチャンスを与えていくはずだ。

 その時に少しでも高いパフォーマンスで応え、そこからさらに向上していくためにも、長谷部のプレーを是とも映像で見直してほしい。

 代表メンバーに入らなかったボランチの選手にとっても、チュニジア戦の長谷部は“良い見本”になるものであり、今後のアピールの意味でも参考になるパフォーマンスだった。

【了】

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