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日本代表 10年前

チュニジア戦、課題と成果を知るための4つのポイント。世界での戦いへ重視すべきは後半より前半か

text by 編集部 photo by Getty Images

「今までのメンバーがどれくらい出来るかも試される」

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長谷部の言葉は非常に重要な意味を持つ【写真:Getty Images】

 長谷部も「選手全員が球際で戦う部分やアグレッシブさとか、試合の中での強度っていう部分では間違いなく上がっていたと思う」と評価した。

 しかし、長谷部は「今までのメンバーが出た後半残り20分くらいの時はどちらかというと今までに近いようなポゼッションサッカーだった。それで結果が出たというところもある」とも語っている。

 この言葉は非常に重要な意味を持つ。ザッケローニ監督の下で実践してきたサッカーは、アジアやホームでの親善試合では強さを発揮したものの、アウェイ親善試合やコンフェデ杯、W杯といった世界レベルの舞台では全くと言っていいほど通用しなかった。

 つまり、ロシアW杯で決勝トーナメント進出を果たすためには、後半ではなく前半に注目していく必要がある。とはいえ、長谷部が「今までのメンバーが裏への動きとかでどれくらい出来るかも試されると思うし、そういう意味ではこれから」と語るように、既存の選手たちが全く異なるサッカーを実践できるかは未知数だ。

 もちろん、香川はそもそもショートカウンターでこそ力を発揮する選手であり、本田はカウンターが機能していた今季序盤のミランで得点を挙げてきた。岡崎もマインツはブンデスにおいて決して強者ではなく、ボールを持てない展開が多い中でも結果を残している。この3人は、決して“堅守速攻”で生かせない選手ではない。

 このチュニジア戦で得られたものは、一連のネガティブな空気を変えるための勝利。そして、日本が世界で戦うための“真のスタイル”構築のための第一歩といったところか。

 今後の戦いでは、ハリルホジッチ監督のスタイルがどこまで浸透するかが重要となる。そして、それを正当に評価するためにもハイレベルな相手との試合は不可欠だ。

 しかし、コンフェデ杯への出場権はない。それだけに、やはりアウェイでの親善試合をいかに増やすかが鍵となるだろう。

【了】

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