得点ならずも垣間見せた攻撃センス
2011年6月にアルベルト・ザッケローニ監督に招集されてから丸3年。やっと訪れたチャンスを確実につかまないわけにはいかなかったのだ。
強い危機感が1つの形になって表れたのが、後半38分の本田のチーム2点目の場面だろう。本田→宇佐美→岡崎→香川とつながり、背番号10が左足シュートしたこぼれ球に本田が反応したゴールだったが、宇佐美も最前線にしっかりと詰めていた。
そして、香川からのスルーパスに抜け出した後半44分の決定機も彼らしさが前面に出ていた。角度のないところからのシュートは右ポストに当たって跳ね返り、代表デビュー戦初得点こそならなかったが、切れ味鋭い点取り屋の一端を垣間見せたと言っていい。
わずか20分足らずの出場ではあったが、若い宇佐美にとって大きな前進だったのは間違いない。その充実の表情が一夜明けた28日の大分合宿最終日のトレーニングからもよく見て取れた。
この日はチュニジア戦の先発組を除くフィールドプレーヤーが10対5や8対8+GKといった実戦形式のトレーニングを消化。ハリルホジッチ監督が「次のウズベキスタン戦(31日=味スタ)ではメンバーをほとんど変える」と明言したこともあり、宇佐美も出場時間を少しでも増やすべく、懸命のアピールを続けていた。
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