CFのファーストチョイスは岡崎か
自らパスを出して指導するハリルホジッチ監督【写真：Kazhito Yamada / Kaz Photography】
最後にCFだが、ハリルホジッチ監督が目指すスタイルをハイレベルに実現し、さらに多くのゴールをもたらせる存在として引き続き岡崎慎司が第一人者であることは疑いの余地がない。サイズに関しては就任前に噂されたほどハリルホジッチ監督はこだわっていない様子で、とにかく前線で幅広く縦パスを引き出し、チャンスにゴール前でいい形を作れる選手が求められる。
久々の代表復帰となった興梠慎三が離脱し、右サイドの想定ながら中央で起用の可能性もあった小林悠が辞退したのは残念だが、ドイツで奮闘する大迫勇也と追加招集の川又堅碁のアピールにも期待したい。
大迫はシンプルなポストから素早く反転してゴールに向かう動き、フィニッシュの精度に持ち味があり、川又は荒削りながら迫力ある飛び出しで泥臭くゴールを狙える。彼らがチュニジアの屈強な守備の壁をこじ開ける期待も高い。2人に共通するのは前からボールをしっかり追えることで、守備の時は全員が守備に関わることを求めるハリルホジッチ監督の要求に応えるベースはある。
またチュニジア戦に限らず、状況によっては宇佐美が前線で起用されるケースや2トップもオプションとして考えられる。現役時代に名ストライカーとして鳴らしたハリルホジッチ監督はポジション別の練習で自らがパサーとなりながら、FW陣のシュートにアドバイスを与えていた。新しいチームの中でエースの岡崎を突き上げる様な競争が繰り広げられれば、チーム全体も活性化するはずだ。
「数年後の話ですけど、ロシアへの準備は始まっています」とハリルホジッチ監督。アタッカーの競争でポールポジションを取っていく選手は誰か。大事なのはチュニジア戦で先発したかどうかではない。しっかりとチャンスに応え、新チームの重要なメンバーになれる実力と意識を示すことだ。
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