永井と本田。異なるタイプのポジション争い
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が就任して初戦となるチュニジア戦。ここまでの練習で選手に多くのことを話し、伝えてきたというが、それを選手たちが試合で発揮できるかどうかは今後の強化に大きく影響する。
勝利を目指す中でも、ハリルホジッチ監督が掲げるスピーディなつなぎと鋭い縦の仕掛けで体格に勝るチュニジアの裏を突いていきたい。そうした意識はチーム全体に求められるが、より特徴を発揮できた選手が今後の主力定着につながることは間違いない。
メンバー発表の会見でハリルホジッチ監督が「サムライブルーに少し足りない背後へのスピードをもたらせる」と評価した永井謙佑は大きなチャンスだろう。練習でも細かい技術に関しては決してうまい方ではないが、一瞬でDFの裏を突ける爆発的なスピードと攻守に渡り何度もダッシュを繰り返せる心肺機能はすぐにでも発揮できる武器だ。
前線からサイドハーフまで複数のポジションをこなす永井だが、今回は本田圭佑と同じ右ウィングに配置されている。実際、前日練習の12対12にゴール4つを付けたミニゲームでも、本田と別チームで右サイドに入っており、全くタイプの異なる2人が同じポジションを競う構図になっている。
本田の場合は自ら裏を狙う動きに関してスピード面で永井より落ちる一方で、センターFWや左ウィングの動き出しに合わせ、正確なパスを出せる強みがある。スピーディに縦を突くと言っても、一発で裏を狙うだけでない。
例えばクサビを入れながら縦にボールを運ぶ形も練習に取り入れており、そうした流れの中でラストパスとフィニッシュの両面に特徴を発揮できる本田が優先されるケースも考えられる。ただし、ハリルホジッチ監督のサッカーをダイレクトに表現するなら永井の方が適しているのは確かだ。