勝ち続けるために変化は必要
それでも「変革」に踏み切る理由は、1つには、そのスタイルの維持が難しいということが考えられる。ブラジルW杯を終えて、メルテザッカー、ラーム、クローゼが引退した。CBのメルテザッカーはともかく、現時点ではラーム、クローゼの代わりとなるSB、CFを見つけることが出来ない。
CFについては、ブレーメン所属のU-19欧州王者ゼルケのような有望株もいないことはないが、ラームのようなSBは、ドイツ国内外見渡してもラーム以外にいないのが現状だ。
3者の引退によって、図らずとも「勝っているチームはいじられて」しまったのである。結果、W杯以後の戦いで苦戦を強いられたといっても過言ではない。
「勝っているチーム」を取り戻すための人材を確保出来ないのであれば、確保出来る人材で再び「勝っているチーム」を作り出す、といったところだろうか。
また2008年の欧州選手権の優勝から黄金期を築き上げたスペイン代表は、2014年はグループリーグで敗退となった。もちろん敗退の要因は、スタイル面のみにあった訳ではない。しかし、長い目で見れば、勝ち続けるためにやはり変化は必要ということなのだろう。永遠に続くトレンドは存在しない。
結局オーストラリア戦は2-2のドローに終わったが、キッカー紙によれば、6月にチェコで開催されるU-21欧州選手権の後でレーブは、新たな戦力の招集にも取り組むようである。
ドイツ代表の「変革」は、まだ始まったばかりだ。
【了】