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代表 10年前

永遠に続くトレンドは存在しない――。ドイツが「変革」に取り組む理由。豪州戦ドローもあくまでプロセス

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「新しい製品を一晩で開発するのは不可能」

 ベララビ、ヘクトルの両ウイングバックだけではなく、ムスタフィも上がってクロスを入れるなど、ドイツ代表はこの新しいスタイルの「テスト」を積極的に行なっていった。

 しかし40分、スローインから、バーンズに右サイドからクロスを入れられて、トロイジにヘッドで同点弾を決められてしまう。バドシュトゥバーとヘクトルの間だった。

 前半を1-1で折り返したドイツは、後半に入ると布陣を4-2-3-1とする。3-1-4-2の「テスト」は45分間で終えることとなった。

 レーブ自身が「新しい製品を一晩で開発するのは不可能」と言っているように、やはり「変革」は簡単ではない。オーストラリア戦については「失敗」としながら、「このプロセスは向こう数ヶ月は続く」と記すなど、キッカー紙もドイツ代表の「変革」を長期的な視野で眺めているようである。

 しかしなぜ、「変革」が必要なのだろうか。例えばスペイン代表を考えてみると、2010年の南アフリカW杯で優勝を遂げてから、そのスタイルを維持したまま、2012年の欧州選手権も制覇している。

「勝っているチームはいじるな」との格言もあるように、2014年W杯を制したチーム、特にブラジルを1-7で粉砕したようなスタイルの維持に努めたほうが、W杯に続くユーロの制覇に近いようにも思える。

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