サッカー界の視点だけでない小谷野氏
3月後半から告示され、いよいよ始まる統一地方選挙。その中で全国のスポーツ関係者やサッカーファンが注目している選挙戦がある。
広島市の市長選である(4月12日投開票)。サンフレッチェ広島のホームタウンであり、人口118万人の政令指定都市。
その市長選に今回、サンフレッチェ広島前社長小谷野薫氏が立候補した。「なぜ、現役のサッカークラブの経営者が立候補したのか?」と驚きや疑問を持った方もいるかもしれない。
小谷野氏は2年半サッカークラブの経営者として手腕を発揮。本職は経営再建・業務提携・民営化ではあるが、国内外で様々な企業や地域で課題を解決してきた。
その幅広い視野や経験でみると、国際平和文化都市である広島の潜在能力をもっと引き出せるのではないかと感じたからではないか。
その1つの事例がサッカースタジアム建設推進活動に代表される“まちづくりの停滞”である。このスタジアムの建設については、10年以上前から広島で議論が行われているが、なかなか前進していない。
一昨年、官民で6月に設置したサッカースタジアム検討協議会も2候補地を併記し、昨年11月に終了。今後は広島県、市、商工会議所などが建設の是非や候補地、事業主体などが決定されることとなり、結論がうやむやになっている。
小谷野氏はこの協議会の委員でもあった。その協議会で、何度も「広島市の活性化のために多目的スタジアムが必要だ」と訴えている。単にサッカー界だけの視点だけで発言しているのではない。
また、サンフレッチェ広島がホームスタジアムを置く、広島市安佐南区では昨年8月、大規模な土砂災害が発生。クラブ自体も募金活動などを行い、社会貢献活動を行った。しかし、まだまだ地元は復旧が進んでいない地域が多くあるなど、問題を抱えている。