イングランド人正GKはわずか5人
グリーンは2010年の南アフリカW杯で致命的ミスを犯したことで有名だが、その後は2部チャンピオンシップとプレミアリーグを行ったり来たり。今季は19位QPRで正守護神を務めているが、すでに35歳の大ベテランだ。
バトランドはU-21代表が主戦場のGK。2012年にはA代表の一員としてEURO出場経験を持っているが、今季はストークで1試合も出場していない。キャリアで正GKだった時期が短くプレミアリーグでの出場は昨季の3試合のみ。毎年下部リーグへのレンタルを繰り返してきた。
彼ら以外に人材がいないのか。今季プレミアリーグ20クラブで正守護神を務める選手の国籍を分析すると、イングランド人が5人、ベルギー人、スペイン人、アメリカ人が2人ずつ、コロンビア人、フランス人、ボスニア・ヘルツェゴビナ人、オランダ人、アルゼンチン人、ポーランド人、ルーマニア人、スコットランド人、オーストラリア人が各1人ずつとなる。
数こそ最も多いが、イングランド国籍5人のうちハート、フォースター、フォスター、グリーンという代表選手を除けば、残るのはバーンリーのトム・ヒートンだけだ。プレミア以外の主要リーグで正GKを務めるイングランド人はおらず、これではホジソン監督も選びようがない。
他国に目を向けると、セリエAで正GKを務めるイタリア人は13人おり、A代表経験者は半数近い6人もいる。ブンデスリーガは18チーム中13チームで正GKがドイツ人だ。A代表経験者は少ないが、U-21代表経験のある25歳前後の中堅が多く、高い将来性を秘めている。
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