「色んな選手にチャンスが広がった」
その姿は、親交があるというイビチャ・オシム元監督を彷彿とさせるものでもあり、“オシム・ジャパン”を知るMF今野泰幸も「そんな感じはある。ちょっとオシムさんに似たところはあるかもしれない」と述べた。
さらに、今野は「メリハリがしっかりしている」と感じたようだ。
「普段は友達のようでいいけど、ピッチに入ったらやることやろうって感じ。そういうところの妥協とかは許さなそうな監督だなと思った」
選手時代から監督としても長く活躍したフランスでは、“独裁者”というイメージも少なからず残っているものの、深く接した人物や選手からは人格者として慕われてもいるという。
細部までにこだわり、常に話し合うことを求め、普段は穏やかながらピッチ上では闘争心を掻き立てる…。
選手たちが初日に感じたハリルホジッチ監督のイメージは、サッカーのみならず日本人の“パブリックイメージ”として度々指摘されている「指示がなければ働けない」「闘争心を出すことが苦手」という部分をカバーしてくれるものとなるかもしれない。
さらに、長谷部が「日本代表を大きな枠として捉えて発信している部分もあると思う。そういう意味では色んな選手にチャンスが広がったというのはある」と語るように、FW宇佐美貴史やDF藤春廣輝らが代表入りし、バックアップメンバーを含めれば43人もの選手が招集された(FW小林悠、興梠慎三、DF長友佑都が辞退)。
これは、4年間ほぼメンバーが固定されたザッケローニ体制から続いていた閉塞感を打ち破ることも期待できる。
前代未聞の八百長騒動による契約解除という形で幕を閉じたアギーレ体制から急展開で幕を開けたハリルホジッチ体制は、結果的に18年ロシアW杯に向けてポジティブな変化となる可能性は十分高いだろう。
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