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モデルは「チリ」。世界を制しながらも変革を続けるドイツ。視線は既にロシアを見据える

text by 本田千尋 photo by Getty Images

世界中から知を吸収するレーブ監督

モデルは「チリ」。世界を制しながらも変革を続けるドイツ。視線は既にロシアを見据える
ヨアヒム・レーブ監督【写真:Getty Images】

 2014年では最後のテストマッチとなったスペイン戦でレーブは、3バックを導入するという実験的な取り組みを行なったが、着想の源は南米のアウトサイダーにあったようである。

 ブンデスリーガでは、今季よりグアルディオラもバイエルンに3バックを導入した。このこともレーブにとっては、代表チームに3バックを取り入れるにあたって、好機と捉えたかもしれない。

 所属先で3バックに馴染みのあるバイエルン勢を招集すれば、「変革に取りかかる」ことの敷居は若干低くなる。ボアテングと並ぶバドシュトゥバーの選出には、そういった意味合いもあるに違いない。また、気付けばシャルケにもディマッテオが3バックを持ち込んでいる。

 キッカー紙はレーブの次のような言葉を掲載した。

「新しい製品を開発しようとするのなら、それは一晩では不可能だ。少し時間はかかるものだよ」

 もちろんレーブは「変革」を、オーストラリア、グルジアとの2連戦のみで成し遂げようとは考えてはいない。13日、DFBは現ドイツ代表監督との契約延長を発表した。期間は2年延長となり、レーブは2018年のロシアW杯まで指揮を取ることとなる。

 世界中から知を吸収しようとする指揮官の視線は、既にフランスを通り抜けて、来たるロシアを見据えているのである。

【了】

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