J最強のアニヲタ・井林にゴールの女神が。後半覚醒した理由とは?
様相が一変したのは、『甘ブリ』のキャラクターによる止め絵+ボイスのピクチャードラマ――後半に向け、チームとファンの決起を促す意味合いのもの――を流したハーフタイムのあとだった。まさにこれが転機になった。
東京Vが前がかりになり、後半キックオフからの10分間、一方的に水戸を押し込んだ。水戸は11分にフォワード三島康平を投入、劣勢を覆そうとする。
その直後だった。後半13分、東京V中後雅喜が放った右コーナーキックを、キャプテン井林章が身長179センチとは思えない高く強靭なヘディングで、緑のサポーターが待つゴールマウスへと叩き込んだ。
熱狂。
「アニ×サカ!!」の初戦で、Jリーグ界最強のアニヲタである井林を、ゴールの女神が祝福した。
東京Vは後半39分にもブルーノ コウチーニョがダメ押しの2点め。水戸DFに当たってのほぼオウンゴール。しかしまず「撃つ」「攻撃をやりきる」というフィニッシャーの意思がなければ決して生まれない得点だった。
なぜ東京Vの攻撃意欲が増したのか。
サイドハーフの澤井直人は言う。
「ハーフタイムに“前を向けていない”と監督に言われたんです。あのひとことで、後半、ああいう試合ができた」
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