そこだけ東京ビッグサイトな「東京V×甘ブリ」「水戸×ガルパン」ブースの賑い
結局、「水戸×ガルパン」ブースが物販を始めたのは12時を大きくまわってからのことだった。しかし人気は絶大。客足が途切れない。この日は、2014年版の「水戸×ガルパン」コラボユニフォームが旧定価18,000円のところを10,000円の限定割引価格で販売されるなど、豊富な質量を誇る商品編成がサポーターの購買意欲をそそっていた。
陳列も適度に密集させる手慣れたもので、不思議と買いたくなるオーラが出ていた。翻って左を見ると、写真撮影が終わり、橘杏やマスコットたちが引き上げたそこは閑散としている。
この光景を見て「やっぱり積み重ねがちがうよね」と言ったのは、拙著『エンダーズ・デッドリードライヴ』のイラストを担当した漫画家の高田桂だった。バレーボールとサッカーの両方で東京Vをこよなく愛する高田は、ゲコ太アイコンによる「I LOVE 東京」ゲーフラを橘杏に持たせて写真を撮るなどTwitterによる情報発信に余念がなかったが、それだけにその場の空気を敏感に察したようだ。
たしかに、旧ヴァージョンの在庫を割引価格で売ることができるのも、コラボユニを以前からつくっているからだ。コラボイベントも3シーズンめに突入する。東日本大震災で被害の大きかった茨城県の復興を大洗とガルパンと水戸ホーリーホックが担うというパートナーシップもある。少しずつの蓄積が生む活気だった。
しかし東京Vに芽がないわけではない。「千斗いすず」オリジナル缶バッジは、キックオフまで10分以上の余裕を残して限定数200を売り切った。「水戸×ガルパン」ブースができるまで、東京ビッグサイトのようなコスプレ撮影タイムで賑わったのも東京V側だ。
高田は「甘城は稲城がモチーフになっているから、またできたらいいね」と言う。この日は「甘城市の皆さん、ようこそ!」の横断幕で来場者をお出迎え。その先のゲートへとつづく橋には「ヴェルディのある街 稲城」の横断幕がかかっていた。「水戸×ガルパン」のような蓄積ができれば、火を灯す種になるかもしれない。
次回4月11日の第7節東京V対岐阜では、『甘ブリ』出演声優の参加も決定した。まだ歩みは止まっていない。