他の選手にもブーイングが
しかしながら、ファンはそのボールキープという行為に対して怒っている。「それが意味不明なんだ」とスカッキ記者は言う。
「だいたいミランが後半になっていつも逆転を喰らうのは、チームとしてボールポゼッションが出来ないからなんだ。フィオレンティーナ戦がもろにそうだったじゃないか。本田は少なくともそのクオリティをチームにもたらすことが出来る選手で、そういう意味では今日も自分の役割は果たしていたのではないかと思う」
もっとも記者の中には、この日の本田に対して厳しい目を向けるものも多くいたことは併記しておく。ある女性記者からは「今日のあんなパフォーマンスから、何をどうやって書くというの?」という率直な疑問をぶつけられた。「申し訳ないが、あいつ(本田)は好きじゃない」と言ったベテラン記者もいた。
ちなみに試合中、ひどいブーイングが向けられたのは本田だけではない。デ・ヨンクの代わりに残り3分間で入ってきたエシアンは、ピッチに入った時点で指笛の合唱を浴びた。終了間際にはパッツィーニ、そしてチェルチがシュートミスをしブーイングを受ける。チームがドローだったりビハインドにある最中ならともかく、3-1でリードし試合終了まで幾ばくもない状態であれだけ罵声を浴びるのは、正直ナンセンスに思えた。しかしそれだけ彼らは、ナーバスになっているということだ。
「ゲームオーバー。コインを投入しミランを救え」。サポーターの抗議でがらんとしていたクルバ・スッド(南ゴール裏)には、このような横断幕が掛かっていた。このチームはもう終わっているので、サッカーを今後も続けたければ資金を投入しろ(それが出来なければ経営権を売れ)と、クラブの経営陣に対してメッセージを投げかけている。
「ファンからの信頼を取り戻すには、ピッチ上での行動で示すより他に方法がない」。サポーターが抗議行動を起こす状況に対し、試合後インザーギ監督はそう語った。10番として認められるためには、本田も実績を残していくほかはない。
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