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本田圭佑 10年前

消え去った「右から中へ」。本田のデータが示すミラン低迷の要因。安易な個人技頼りで失った“個性”

セリエA第28節、ミランはカリアリと対戦して3-2と勝利。しかし、右ウイングで先発した本田圭佑のプレーはこれまでとは大きく異なるものであり、ミランは“個性”を失ったといえる内容だった。

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

攻撃の鋭さで上回ったカリアリ

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昨シーズンからの低迷に対するサポーターの思いが詰まった横断幕が掲げられた【写真:Getty Images】

「THIS IS THE END」。サン・シーロのゴール裏に掲げられた横断幕に書かれたこの言葉は、昨シーズンからの低迷に対するサポーターの思いが詰まったものだった。

 2月22日以降、勝ちに見放されたミランだが、このカリアリ戦では3-1と勝利。約1ヶ月ぶりの勝利を手にした。年明け以降、ミランが挙げた勝利数は3。2月1日のパルマ戦、同22日のチェゼーナ戦、そしてこのカリアリ戦。

 この3チームは、そのまま降格圏内に沈む3チームであり、今やミランは「降格圏にしか勝てないチーム」という印象すらある。当然、降格圏のチームにも勝てないようであれば、それこそ「THE END」。そういった意味では、チームとして最低限のものは保っているといえるだろう。

 試合に目を向けてみると、結果は前述の通り3-1。メネズの2得点(うちPKが1点)、メクセスのゴールで勝利を収めた。その他にも終盤にはパッツィーニとチェルチにも決定的なチャンスがあった(どちらも決めてほしいところだったが…)。

 一方で、内容に目を向けてみれば決して今後に弾みのつく勝利とはいえないものだった。

 試合後のスタッツをみると、試合率はミランが52.1%、パス成功本数でも315本でカリアリの280本を上回った。しかし、アタッキングサードでのパス本数ではミランの125本に対してカリアリは144本。わずかながら、カリアリの方が攻撃面では鋭さを持っていた。

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