アッレグリの巧みなチームマネジメント
しかし、アッレグリが最も優れている点は試合の采配ではなく、チームマネジメントにある。ユベントスは、シーズンで最も重要な試合にメンタル、フィジカルコンディションともに最高の状態で挑むことができた。コンテはどんな試合でも選手に120%のパフォーマンスを要求していたのに対し、アッレグリはセリエAで自らのチームの後を追うローマの試合結果や勝ち点差にあわせてコンディションを調整し、選手に無駄なエネルギーを消費させることはなかった。
どんな優れた選手でも、毎試合120%の力で戦い続ければ、いずれ疲労が溜まるのは当然のことだ。それに引き換え、アッレグリはチームマネジメントの面でも勝っていたといえるだろう。
この勝利により、ユベントスはキエッリーニのスリップを最後に、彼らに憑きまとっていた“CLのジンクス”を乗り越えることができたのではないだろうか。2位ローマとの勝ち点差が「14」もあることから、彼らはCLに全てを注ぎ込むことができる。優勝を期待するのは時期尚早かもしれないが、ヨーロッパの舞台において、ユベントス・ブランドを成長させる絶好のチャンスである。
そして、この話題に触れないわけにはいられない。1stレグに続き、2ndレグでも香川真司に出場機会が訪れることはなかった。想像力を欠いていたドルトムントにおいて、この日本人選手が出場していれば、いくつかのチャンスを作れていたのではと思うと、少々残念である。
ユルゲン・クロップ監督の信頼を勝ち取ることができなかった香川を、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督はどう見ていただろうか。
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