ロナウドが感じる焦燥感
というのも、ロナウドに焦燥感が感じられる症状が見受けられるからだ。先週末のホームでのレバンテ戦では、9回シュートを放ったが、どれもゴールにはならなかった。自らがオーバーヘッドシュートを失敗した時、自身に対して怒り、文句を言うのはまだしも、ベイルがチームのために2得点を決めたときに、露骨に嫌な顔をしたその正直さについては、いまだに話題になっている。
実際、ベイルもロナウドにパスを出せるシーンでパスを出さないなど、攻撃の選手ならではのエゴがぶつかっている部分はある。だが、それを抑えてチームプレーに徹する、という姿勢が今のマドリーには感じられないのだ。
トップアスリートであれば、強いエゴがあるのは当然であり、他人に負けたくないという強い気持ちが一流であり続けることを容認する道になることは、往々にしてあることだ。だが、ロナウドのようにフィジカルやスピードが強みの選手は、その衰えが見えてきた時に、続けていくにはなんらかの方向転換を計らなければならない。
現在のロナウドとメッシの違いは、そこにあるように見える。自らが犠牲になり、アシストを出すことも厭わない。その姿勢が勝利を呼び込み、また、アシストで返されることにつながるのだ。
言い方を変えれば、スアレス、ネイマールといった自己犠牲を問わない、あくまでもメッシを立てることがチームの勝利につながるとのチームコンセプトを理解している選手の補強の勝利と言えるかもしれない。
様々なサッカーくじでは、ホームで戦うバルサの勝利に1.8-1.9ユーロ、マドリーの勝利には3.85-3.9ユーロと圧倒的にバルサ有利な統計が出ている。それでも、何が起こるかがわからないのがクラシコだ。
クラシコには魔物が棲んでいる。その魔物を呼び起こすのは、ホームのバルサか、首位奪回を狙うマドリーか。攻撃を中心にする両チームの白熱の戦いが見られることだけは、保証できると言えるだろう。
【了】
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