浸透する“世界の舞台で戦う”という思い
ここ数年、Jリーグ勢はACLで苦しい戦いを強いられている。今季もガンバ大阪、浦和レッズ、鹿島アントラーズが苦戦しているが、その中で柏レイソルのみが無敗。今年に限らず、2012年にベスト16、2013年にはベスト4とJリーグ勢では最も安定した成績を残している。
その要因とはなんなのだろうか?
あるいは、組み合わせによる優位性もあるのかもしれない。しかし、柏レイソルにはこんな“合言葉”がある。
「柏から世界へ」
試合が行われるスタジアムで、サポーターが合唱するフレーズの一部だ。もちろん、単なる言葉だけで勝てるほどACLは甘い舞台ではない。
しかし、日立台にこの歌がこだますれば、スタジアムのテンションは一気に上がり、スタンドのファンは選手のプレーに拍手を送り、相手にはブーイング、反則スレスレのプレーには大きなリアクションで応え、試合を決めるゴールには総立ちでガッツポーズを見せる。
サッカー観戦で当たり前の行為かもしれないが、元来全員が号令とともに揃った応援を続けることに慣れている日本では以外と少ない。
その姿からは、“世界の舞台で戦う”という思いが言葉だけではなく、ファン1人1人、そして選手、クラブに浸透していることがわかる。
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