リバプールの被害者の名前が刻まれた追悼碑【写真:Getty Images】
英紙『BBC』は現地時間17日、1989年にイングランド・シェフィールドの「ヒルズボロ・スタジアム」で起きた大事故について、警察側がミスによる原因で発生したことを認めていると報じた。
この事件は1989年4月15日にシェフィールドで行なわれたFAカップ準決勝のリバプール対ノッティンガム・フォレスト戦で発生。ゴール裏の立見席に収容能力を上回る大勢のサポーターが押し寄せたことにより死者96人、負傷者766人を出す惨事となり、英国スポーツ史上最悪の事件「ヒルズボロの悲劇」呼ばれている。
事件当初はフーリガンが満員のスタジアムに無理やり入ろうとしたことが原因とされていたが、英政府の調査で、事故の直接の原因は警備側の安全対策の不備と事故発生後の不適切な対応にあると断定していた。
当時の警察本部長デイヴィッド・ダッケンフィールド氏が裁判に出席。同氏の証言により改めて警察側のミスだったことが明かされた。
同氏は「96人の死亡の原因は出入り口を閉じたことにある」と、出入り口を封鎖したことで起きたと話した。
ダッケンフィールド氏は以前の証言で缶詰状態とパニックによるものという指摘を否定。しかし、今回の証言はそれを認めることとなっている。
さらに同氏は「当日は何も考えていなかった」と話し、多くのファンが詰めかけている中での誘導について、対策案はなかったとしている。
そして、改めて誘導ミスが直接の原因であったことを認めた。
また、真実を明かさなかったことについては「私たちは全員がショックを受けていた」とし、「自分のしたことの結果を認識しないという、恐ろしい過ちを犯した」と打ち明けている。
悲劇から約26年にわたって真実を明らかにすることを求めてきた犠牲者遺族たちに対し、ダッケンフィールド氏は「本当に心から申し訳ないと思っている」と謝罪。そして「リバプールの家族たちに言いたいのは、私は自分の怠慢を悔いており、それは死ぬまで続く」と話した。
【了】
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