「今の選手にベストなシステムではない」
このやり方で戦うためには、本当に並外れた力がなければならない。バルセロナがそれをやれるのは、それだけの選手たちがいて、このやり方で何年もプレーしてきたからだ。ユナイテッドは過去3回の移籍市場で約2億2000万ポンド(約396億円)を費やしたが、それでもこのシステムを実行できる選手たちがいるのかどうかには疑問を持たざるを得ない。
アーセナル戦では、ユナイテッドはより直接的にマルアン・フェライニにボールを送る場面もあったが、期待されたほどの頻度ではなかった。彼はそれ以外の何の理由でメンバーに入っていたのだろうか? 少なくともそのやり方は、ユナイテッドに相手陣内でプレーするチャンスを与えていた。
少々古臭すぎるやり方かもしれないし、ファン・ハールが長期的に続けたいと考えることはあり得ないが、ユナイテッドが今のままの戦いを続けるのであれば、より手強い相手との対戦を通して理解できることになるだろう。
ファン・ハールが何をやろうとしているかは理解できる。ワイドな位置に選手を置いてプレーするのはいいと思う。元選手として、過去の日々について永遠に振り返り続けることができないのも分かっている。物事は変わっていくものだ。
とはいえ、攻撃的で魅力的なサッカーについてのある種の基本原理は、常に守られるべきものであるとも思う。私もオールド・トラフォードのシーズンチケットを2枚持っているし、チームが良いプレーをして勝ってほしいと望んでいるのは、観戦に訪れる他のファンたちと同じだ。ただ、このシステムが今の選手たちのためにベストだとは思えないだけだ。
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