1失点目の対応を後悔
谷口は今シーズン、プロ2年目を迎えた。最終ラインでの存在感は大きく、既にチームになくてはならない選手となっている。ルーキーイヤーとなった昨年はリーグ戦30試合に出場。今シーズンは守備の要としての活躍が求められる。
川崎の本拠地・等々力競技場はメインスタンドが新しくなった。ピッチに入り、サポーターで埋まったスタンドは圧巻だった。
「全然、景色が違いました。練習試合とかではやりましたけど、お客さんが入るとまた違った味があるなと。やっていて楽しかった」
だが、サポーターに勝利を届けることはできなかった。
試合序盤から川崎がボールを支配し、チャンスを作り続ける。そして、チーム全体が前がかりになる中、守備でも集中していた。
しかし29分、バイタルエリアで神戸MF森岡亮太にボールが渡る。この時、森岡は完全にフリーの状態だった。最も警戒しなければならない相手の10番に仕事をさせまいと、谷口は距離を詰めた。その瞬間、自身が空けたポジションにパスを通される、渡邉千真にネットを揺らされた。
「今思うと慌ててしまったかなと。あそこでフリーだったので、打たせちゃいけないと思って前に出てしまった。慌てる必要はなかったのかなと思う」
そう言って自身の対応を悔いた。さらに「俺の後ろからやられているので。周りのカバーも必要だったかなと思うんですけど、それ以前に俺が出なければというところもあると思う」と振り返った。
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