インザーギも評価した本田の姿勢
もっともピッチ上で味方からの信頼を引き出すには、決定的な場面でミスをしないこともまた重要だ。ベローナ戦ではエリア内で良いポジションを取ってパスを受けながら、シュートを大きく吹かしたシーンもあった。少ないチャンスを確実に活かすデタミネーションが求められる。
デ・ヨンクやポーリがいないことから、本田にはトップ下であろうとFWであろうと守備への参加が求められることになるだろう。そして今までがそうだったように、本人も黙々とタスクをこなすだろうが、その上でゴールに直結するクオリティも求められることになる。チームプレイで走りつつ、技術の精度を落とさないよう努めるのは大変だが、インザーギ監督をはじめとしたチームの期待に応えて欲しいものである。
現地で取材をしていて思うことだが、本田の真面目さ、勤勉さを評価するインザーギ監督の言葉は、真実なものだっただろう。だからこそ彼は、ノーゴールが続いてもピッチ上で戦術的なタスクに応える本田を使い続けてきた。
そして「外されても真面目に練習を続けている」という言葉も、素直に取るべきものだ。「ピッチには11人しか送り出せないし、チーム事情によって泣く泣く外せざるを得ない選手も出てくる。だからこそ、控えに回り出場機会に恵まれなかった選手がコンディションを維持し、試合で活躍してくれるのは、監督にとって大きな喜びになるのだ」とインザーギは語っていた。控えも含めてモチベーションが高く保たれる状態は、プロのスポーツチームが追及する当たり前の姿だ。
クラブからは様々な要求があり、メディアは解任を叫びと、インザーギ監督にとっては毎日が針のむしろに座る気持ちだろう。もしその状況下で本田が結果を出した時、信頼はそれこそ揺るぎないものになるかもしれない。好調なフィオレンティーナが相手ではチーム共々苦労するだろうが、その中で本田の意地を見たい。
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