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本田圭佑 10年前

連携求める本田圭佑、チームへ無言の訴え。プレーで示すプロの姿勢。フィオ戦は先発出場へ

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

プレーで訴えた本田

 もっとも知ってのとおり、ミランはガタガタである。勝ち続けるどころか2試合連続のドロー、チームの機能性は試合を重ねるたびに低下している。果たしてその中で、本田は再び活躍できるのだろうか。

 本田のポジションについて、地元紙の予想は分かれている。4-3-1-2のトップ下と予想するところもあれば、3トップの右と報じていたところもあった。ただ本田がチームの中で活きるかどうかは、ポジションというよりも味方との連係次第だろう。それが決まればFWでも機能するし、決まらなければトップ下でも浮いてしまうことになる。

 ただ現在、ミランには組み立てのイメージを共有している様子が全く見られない。一方そんな彼らに対し、途中出場した本田はプレイを通して訴えているというか、乱暴な表現かもしれないがボールを蹴りながらケンカをしているようにも見えた。

 キエーボ戦が顕著だったのだが、個々の球離れもオフ・ザ・ボールの動きも皆無だったチームにアピールするかのように、一人ダイレクトパスやワンツーを狙っていた。もっとも、周りがそのイメージを共有できなければプレイは続かない。その結果、クロスバーを叩いたミドルシュート以外に良いチャンスを作ることはできなかった。

 フリーになったときに、自分のことを見てもらえるかどうかも重要だ。12日には非公開で下部組織との練習試合が行われ、本田はデストロとともにハットトリックを達成したと発表された(試合は11-0)。練習を通して、味方と動きの確認が進んだことの兆候であると期待したい。

 連係という面では朗報もある。右サイドで良いコンビネーションを見せていたアバーテが先発に復帰するのだ。出したいタイミングに合わせてスペースに攻め上がってくれる攻撃的SBの存在は、パスワークの成立を容易にさせてくれることだろう。

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