“個の力”をどう扱うべきか?
ハリルホジッチ監督と言えばハードワークが代名詞になっているが、もしかしたら体力より疲れるのは頭の中かもしれない。「全選手に期待したいのは効果的な選手であること」とハリルホジッチ監督。それは豊富な運動量だけでなく、攻守に渡り参加意識を持ち、機能する能力を求めるということだろう。
「スターというのは選手ではなくチームがスターだと思っている。そうは言っても個人的な能力をダメにしてはいけないと思っている。ただ、そういったスター選手のような能力を持った人でもチームのために仕事しなければならない」
得点力の向上も、失点を減らすことも、結局は全員が攻守にどれだけ効果的に関われるかにかかっている。そのベース上で“個の力”がチームにプラス効果をもたらすのは間違いないが、個人をチームから突出することなく融合させるのがハリルホジッチの基本スタイルとなりそうだ。
具体的なベースのシステムや形などはメンバー選考、さらに合宿、試合で明らかになっていくものだが、ブラジルの地でアルジェリアが見せたパフォーマンスの原点を今回の就任会見から十分に読み取ることができた。
「第一の目標はロシアW杯に出ることだ。そしてW杯に参加するだけではなく、さらに上を目指したいと思っている。グループリーグを突破して決勝トーナメントに進出したい」
そうハリルホジッチ監督が語ったのは、決してベスト16に目標を定めているのではなく、日本にとっても指揮官にとっても、決勝トーナメントから先を勝ち上がることが未知の世界であるからだろう。
しかし、ドイツを相手に最後まで勝利にこだわり、惜しくも敗れた後は一目もはばからず涙を流したハリルホジッチ監督のことだ。可能性がある限り勝利にこだわり、新たなステージを目指していくはずだ。ハリルホジッチと日本の冒険がいよいよスタートした。
【了】
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