新監督が植え付ける勝負への強い気持ち
「世界で一番強いチームと対戦する時でも勝つトライをする。問題となるのは、トライをせず負けてしまうことだ。私がここに来たことで、勝利に対する気持ちを植え付けたい」
来日して数時間で就任会見にのぞんだハリルホジッチ新監督はフランス語でまくしたてるように多くのことを語ったが、その中でも筆者の心にとまったのがこの言葉だ。
振り返ればブラジルW杯のドイツ戦でまさに、この言葉を証明するパフォーマンスを当時のアルジェリアでやってのけた。90分の中でドイツを苦しめ、延長戦で2点を取られても諦めずに1点取り返し、最後まで希望を捨てずに選手を戦わせたのだ。
サッカーの根本的な力になるのは勝負への強い気持ちである。具体的には“格下”をなめず、“格上”でも恐れず、勝っていれば油断せず、負けていても諦めないこと。勝つための方法論というのは色々とあるが、メンタルに付いてくるものでもある。
“頑張っていない選手などいない”という意見は多く聞かれるし、実際にそうだろう。しかし、サッカーというのはメンタルの要素が非常に強く、人間は分かっていてもそれが浮き沈みしてしまうものだ。
対戦相手や試合展開によってぶれることなく、勝利を目指せるメンタリティを発揮する。そのためには単純な気持ちの強さだけでなく、起こりうるシチュエーションに慣れていること、しっかりと実戦的なトレーニングを積み重ねた自信、相手を研究することで増す警戒心を高め、勝利のためのプレーに融合していく必要がある。
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