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Jリーグ 10年前

【英国人の視点】選手にブーイングの浦和、地域の象徴となった松本。クラブとサポーターの在り方を考える

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

新たな1歩を踏み出した東京V

 松本が3ポイントをつかみかけた最高のデビュー戦の翌日、かつて名門だった東京ヴェルディは、2014年にJ3に降格寸前だったにもかかわらず、J2の開幕戦でセレッソ大阪相手に堂々の試合を見せ、サポーターから敬意を表されると同時に忍耐を強いるに値するチームであることを証明した。

 パウロ・アウトゥオリが費用をかけて集めたメンバーを擁するC大阪戦の先発選手のうち5人はヴェルディユース出身だ。18歳の三竿健斗は中盤の一角として日本代表の山口蛍や扇原貴宏、ディエゴ・フォルランと対峙しながらも素晴らしいプロデビュー戦を飾った。

 ファーストチームに上がってきた卒業生をすぐに起用するという決断は、クラブの限られた予算の産物であることは明白だ。しかし、東京Vはついに過去の栄光にすがることやベテランの元スター選手と契約することがJ1に戻るための最善策でないことを悟った。

 冨樫剛一監督は発展途上の若手選手を多く抱えるチームを任せるには最適の人選であり、C大阪戦での彼らはピッチ上で意思疎通がとれたフットボールを披露した。このゲーム内容であれば、開幕週に集まった12217人のファンをスタジアムに通わせ、古株のファンや新しいサポーターを呼び寄せられるだろう。

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