組織強化とは逆方向に向かっているJFA
2月6日、臨時技術委員会が開催され、代表監督候補が5人程度に絞られた上で、日本人監督の就任は考えられていないことが明らかにされました。さらにその後Jリーグの強化担当者会議が開催され、J1、J2を合わせた40クラブの強化担当者が、霜田技術委員長の続投を満場一致で承認しています。ある有力な強化担当者は、「霜田氏しかやれる人がいないから」と発言していました。
12日に理事会があり、そこで関係者の処分を決めるという会長の公式発言があったにもかかわらず、その前に臨時技術委員会を開くのは会長発言をまったく無視するものではないでしょうか。しかも霜田技術委員長の続投をJリーグの強化責任者会議が承認するのは筋違いで、JFA理事会の専権事項のはずです。外堀を埋めるような手続きで人事が行われるようでは、JFA全体の組織強化とは逆の方向に向かっているとしか思えません。
2月8日、霜田技術委員長が後任監督探しにヨーロッパへ旅立っています。2月6日に候補を5人に絞ったと発表されましたが、どの程度の予算を考えて交渉に臨むのか。契約交渉のためのヨーロッパへの旅費、滞在費などは通常は予算を立てて、理事会の承認を得ることが必要のはずです。
12日に開催されることになっていた理事会の前に出発するためにどのような手続きを行ったのか、細かいことですが疑問を感じます。ひと言でいうと「理事会軽視」と言わざるを得ません。
2月12日、JFA理事会後に行われた記者会見で、大仁会長は「霜田委員長は2月3日の時点で辞意を表明したが、後任監督の選定が急務という理由で続投させた」と明らかにしました。しかし、アギーレ監督の招聘に一番関わった原博実専務理事は辞意を表明していません。
先に述べたように八百長疑惑が出たのは不幸なことであって、任命責任を云々することではありません。しかし、一連の問題で大仁会長が記者会見で頭を下げ、その様子がテレビで全国に流されたことに対して責任を感じて辞意を表明し、会長に慰留された上で職に留まるべきであったと思うのは私一人でしょうか。大仁会長は結論としてそれぞれの給料の一部を自主返納することでこの問題を決着させ、それを原専務理事も霜田技術委員長も受け入れたのですから。
以上のようにこの問題に関する流れを時系列で並べて検証すると、理事会と技術委員会が組織として規約に従って運営されているか、また技術委員会から理事会へ日本代表のあり方について議論が伝えられているのかがいささか心配になります……(全文は『フットボール批評issue04』でお楽しみください)
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