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ジュニサカ 10年前

日本サッカーの短所である守備戦術。小学生年代からどう指導する?

text by 木之下潤 photo by Getty Images , junior soccer editorial staff

少人数のサッカーが日本でももっと普及されるべき

――攻撃側に選択肢が多いから守備側はあらゆることを想定する必要があります。

中野 先ほどのマークの話ではないですが、マークしていても壁を使ったワン・ツーで簡単に抜かれてしまいますから、局面ごとのポジショニングや駆け引きは細かい部分で学びが多いです。インテリジェンスも求められるので、フットサルとは違った意味で室内サッカーは育成年代で養うべきことが詰まっています。競り合いが多くなるので、日本人にとってはうってつけの練習なのではないでしょうか。

村松 私が言うフットサルも、あくまで5人制サッカーです。最近はフットサルも接触プレーがOKになっている部分もありますが、接触プレーもスライディングもサッカーと同じルールです。人数を減らした方が日本人の子どもたちにはわかりやすいと思うのです。必然的に「戦術的に正しい行動をとる」ようなゲーム展開になりますから。

 もちろん強いチームであれば、8人制でも問題ありません。ただ一般的なチームを見ていると、ミスがミスとして認識されずにゲームが進んでいきます。だから、8人制ではなかなか改善が生まれません。

 逆サイドの選手が中央に絞るという動きですが、人数が多くピッチも広ければ、そのことを要求しても「でも、サイドに張っている選手のマークをしないといけないし、マッチアップする選手がサイドに張っている選手だから」と勘違いを起こしてしまいます。

中野 フットサルだと人数が少ない分、相手を動かし自分たちも動いて全員がボールに関与しないとプレーできませんからね。

村松 そう捉えると、ブラジル的なサッカーのスタートの仕方、つまり少人数サッカーのやり方は日本にもっと普及してもいいのかもしれませんね。

【了】

プロフィール

村松尚登
(むらまつ・なおと)
1973年、千葉県出身。バルセロナを拠点に8クラブのユース年代以下の指導に携わり、2004年にスペインサッカー協会が発行する上級コーチングライセンスを取得。帰国後、2009年よりFCバルセロナスクール福岡校で指導を開始。2013年から水戸ホーリーホックジュニアユースコーチを務める

中野吉之伴
(なかの・きちのすけ)
1977年、秋田県生まれ。武蔵大学卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。2009年に日本人では数少ないドイツサッカー協会公認A級コーチライセンス(UEFA Aレベル)を所得。SCフライブルクでの研修を経て、現在はU19-4部リーグのFCアウゲンでヘッドコーチを務める

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