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2015年の君たちは――。東京ヴェルディユース、花の92年組を追って:第14回 それぞれの道へ

視界が開けたミーティング。湧き上がる気持ちの高まり

 鬱屈に満ち、頭から煙が出そうなほど悩んだあげく、珍しく風邪をひいて発熱した。大人の知恵熱というやつかもしれない。大学の友人たちは、グアムだスペインだと最後の余暇を満喫している。SNS全盛の現代、それらは気にしなくても勝手に目に入ってきた。

「結局、やりたかったんですね。自分にはやり残したことがある、もっとやれる。そうやって声をかけていただけるなら、頑張りたいと思った。それで、1月13日から浦安の練習に参加させてもらいました」

 都並の推薦に加え、チームを率いる齋藤芳行監督からも評価を得た。練習後のミーティングの場で、相馬ははっと気づいたという。

「今年のチームの目標、実現したいサッカーのコンセプト、ホワイトボードに書かれる説明を聞きながら、自分は戻ってきたんだなと。勝負に懸ける緊張感や気持ちの高まり。あぁ、この感覚だと湧き上がるものがありました」

 それまで宙ぶらりんだった心が、収まるべきところに収まった気がした。視界がひらけ、やるぞ、と身体に力が漲った。

「ゴール前のプレーには自信があるんです。足りないのはそれ以外の部分で、特にポストプレーの技術を高めたい。自分ではそれなりにできるつもりでいたんですけど、まだまだ全然足りないのがわかった」

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