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日本代表 10年前

勝利のためには非情采配も――。フランス在住記者が迫る、次期代表監督ハリルホジッチの知られざる人物像

日本代表新監督に内定したヴァヒド・ハリルホジッチ氏。すでに多くの報道があるため、おなじみの名前となっているが、その人物像はご存知だろうか? 過去の逸話から素顔を紐解く。

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

フランスサッカー界では馴染みの深い御仁

勝利のためには時に非常采配も――。フランス在住記者が迫る、次期代表監督ハリルホジッチの知られざる人物像
次期日本代表監督に内定したと発表された、ヴァヒド・ハリルホジッチ氏【写真:Getty Images】

 昨夏のW杯ブラジル大会、優勝者となったドイツにフルタイムの90分までに1点も入れさせなかった対戦国が準優勝のアルゼンチンに加えて、もうひとつだけある。

 アルジェリアだ。

 8強入りをかけたラウンド16、自国のサッカー史上初めてグループリーグ突破を果たした北アフリカの挑戦者は、延長戦で2点を入れられた後も、ロスタイムに1点を返す渾身のプレーで、観る者の心を熱くした。

 そして、若手選手が中心で発展途上にあったそのチームを率いていたのが、次期日本代表監督に内定したと発表された、ヴァヒド・ハリルホジッチ氏だ。

 ボスニア・ヘルツェゴビナの出身だが、1995年に帰化申請してフランス国籍も持つ。ストライカーだった現役時代はナントに所属して2度のリーグ得点王。指導者になってからも、リールやパリ・サンジェルマンにトロフィをもたらすなど、フランスサッカー界では馴染みの深い御仁だ。

 指導者としてのハリルホジッチ氏の印象を、彼の腹心だったスタッフ何人かに尋ねたところ、判で押したように同じ答えが返ってきた。

「厳格で、要求が厳しく、非常に計画的。練習メニューも試合での戦術も、細部にいたるまで計算され尽くされている。彼のやることに偶然はひとつもない」

 それがハリルホジッチ氏の指導法であるらしい。

 アルジェリア時代に出演したテレビ番組のインタビューで本人も認めている。

「わたしは平和主義者で理想主義者だが、同時に完璧主義者でもある。物事を中途半端にやることはわたしにはありえない。そして、常に『勝利』を追求する。スポーツにおいて、わたしが関心があるのは『勝つこと』。ただそれだけだ」

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