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ポール・スコールズ:「エバンスがシセに向かって唾を吐いたとは思えない」。アーセナルにも言及

text by フットボールブルー photo by Getty Images

「偉大なチームになる努力をしていない」

ポール・スコールズ:エバンスがシセに向かって唾を吐いたとは思えない
かつてはリーグ無敗優勝も遂げたアーセナル【写真:Getty Images】

 パトリック・ヴィエラの時代以来、何年もそういう様子だった。これまでにも言われてきたことだというのは分かっているが、今のアーセナルにはリーダーがいないと思う。トニー・アダムスやリー・ディクソン、スティーブ・ボウルドやヴィエラ、エマニュエル・プティなど、過去には数え切れないほどのリーダーを抱えていたチームだ。今では、ある種の状況や試合をコントロールできるような、そういう選手が欠けている。

 今年のアーセナルは良くなってきたと言われるが、集中力ではるかに上回るような強敵相手には崩れてしまいがちだと今でも感じられる。先週のモナコもそうだった。ヴィエラやティエリ・アンリ、セスク・ファブレガス、ロビン・ファン・ペルシなど、本当に強い野心を持った選手たちはチームを去って行った。彼らが去った理由はシンプルなもので、アーセナルはもはやリーグタイトルを争うチームではなくなったからだ。

 彼らのような選手たちは、リーグ優勝を経験したいのであれば別の場所へ行くしかないと気が付いた。だからこそ、メスト・エジルがアーセナル加入を選んだのは安易な選択だったと思う。加入以来彼が見せてきた能力に疑いの余地はないが、時々彼は何かをしている振りをしているようで何もしていないように感じられることがある。ピッチ上でどれだけの範囲をカバーしていてもだ。彼が力を発揮するためには近くにリーダーが必要だ。レアル・マドリーではリーグタイトルを勝ち取るチャンスがあったが、アーセナルではあり得ないことだ。

 アーセン・ヴェンゲル就任後の最初の10年間のように成功を収めた近年の歴史があるだけに、今の状況は厳しいものだ。いつも過去の偉大なチームと比較されてしまうからだ。今のユナイテッドもちょうど同じことを経験している。アーセナルにとって問題だと感じられるのは、かつてユナイテッドとリーグタイトルを争った偉大なチームのようになろうと本気で努力しているとは思えないことだ。毎年4位で終えることに満足しているように見える。

【了】

(※)本記事はインデペンデント紙との独占契約により、Football.Blueが日本での配信を行っています。

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