決して褒め言葉ではない「真のプロフェッショナルだ」
「彼は勤勉だ」「真面目だ」「真のプロフェッショナルだ」。海外でプレーする日本人選手のサッカーニュースを見れば、『指揮官が信頼示す』といった見出しの記事中に、ほぼ確実にこういったコメントがある。
確かに褒め言葉なのだろう。特に、我の強い欧州人の中でなら、その姿勢は一層際立つはずだ。
しかし、その結果としてポジションを失えば、それは褒め言葉ではなくなってしまう。監督も人間。誰かを外さなければならなくなったとき、文句を言う選手と全く文句も言わずに受け入れる選手がいるなら、後者を選ぶだろう。
その上で、「試合に起用しなくても文句も言わず懸命に練習をする彼は、真面目だ。真のプロフェッショナルだ」という発言につながれば、それは決して褒め言葉ではない。
冬の移籍市場で加入したアレッシオ・チェルチは、ここまで全くインパクトを残せず、誰が見ても先発起用するレベルにはなかった。しかし、彼は起用された。
アンカーのデヨングとインサイドハーフのモントリーボが負傷欠場となり、デヨングに代わってムンタリを起用し、モントリーボに代わってボナベントゥーラがポジションを移した。
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