いまだゴール奪えず、自らも葛藤
しかし小春日和に眠気を誘われたようなところは、ドルトムントのチームそのものにもあった。サヒンを欠いたためか、中盤のクリエイティビティは低下する。
サヒンに代わって入ったベンダーは、ボール奪取に長け、着実にパスを繋ぐ。しかし、一発で裏を取るようなスルーパスを中盤の低い位置から通すことは出来ない。また誰を狙うのでもない前への単調な放り込みが目立つなど、ドルトムントの攻撃は変化に乏しかった。
加えてHSVのディフェンスは、CBヴェスターマンを中心とした4バックが安定し、ドルトムントに決定的な場面を作らせない。ボランチのベーラミ、サイドハーフのミュラーとともにロイス、香川を挟み込んで、攻撃の芽を摘むいでいった。
「残留争いにおける重要な勝ち点」を掴み取るために、しぶとく守りながら、カウンターを仕掛けていく。74分、右サイドで複数で奪って、前線のゴウアイダへ素早く繋ぐ。フンメルスがかろうじてクリアする。そして試合は0-0のドローに終わる。
0-0のドローというスコアは、ドルトムントの攻撃の低調とHSVのディフェンスの良さが重なった結果と言えるだろう。そしてこの勝ち点1が、どちらにとってより重みがあったかを考えれば、ドルトムントに対するHSVのディフェンスの粘り勝ち、と言える。
試合後に香川は「自分も活かされる側としてもっと受け手になりたいです」と語った。ロイス、オーバメヤンを活かすだけではなく、また活かされるために「自分を出していかないといけないのかなあとは思います」と言葉を残し、ゴールへの意欲を口にした。
「明らかにそこ(ゴール)の数字は足りていないので、そこは一歩、踏ん張りどころというか、結果を残すためにやるのは自分自身ですから。残せればね、やっぱり、勢いであったり自信も付きますけど、そこの差は大分大きいとは思います」
対HSV戦においてのような春眠を吹き飛ばすためにも、ゴールは必要なのかもしれない。
【了】
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