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Jリーグ 10年前

世界へ羽ばたく柴崎岳・その成長と課題

text by Football LAB

データから見えてくる柴崎の課題

世界へ羽ばたく柴崎岳・その成長と課題
ボールロストのエリア割合

 攻撃への関与が大きくなれば、それと比例してボールロスト(相手にボールが渡り攻撃が切り替わる)の数も増える。攻撃的な選手にロストが多いのは当たり前ではあるが、ロストとなったプレーのエリアや内容によっては大きな問題となる。

 柴崎のプレーを振り返ってみると、ここに彼の課題があるのではないかと疑い、調査した。図はエリア別のロストの割合と、ロストとなったプレーの割合だ。参考比較選手として、チームメイトであり同じポジションを担当する小笠原満男と、代表チームにおける先輩でありライバルとなる遠藤保仁のデータを載せた。

 エリアの方は、ピッチを縦に6分割しそれぞれの割合を示した。数値表記のあるものは自陣でのロストの割合だ。ゴールに直結するプレーが増えた反面、自陣でのロスト割合も増えており、小笠原に比べ約8%多い。一番色が濃い箇所は最も自陣ゴールに近いエリアとなるが、ここでボールを失うと失点につながる可能性が高く危険だ。

 もう1つのグラフはロストとなったプレーの割合。ロングパスやクロスの失敗に比べ、ショートパスやキープからボールを奪われた場合、相手がすぐボールコントロールできる状況となり、かつ味方の守備への切り替えも一瞬遅れるため、カウンターを食らいやすい。柴崎はそういったショートパス・キープからのロスト割合が小笠原、遠藤よりもはるかに多く、「危険な失い方」をしているのは明らかだ。

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