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支配率78%を可能とする「守備力」。ペップの理想を体現したバイエルンの貪欲さ

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ポゼッションサッカーの要諦とは

支配率78%を可能とする「守備力」。ペップの理想を体現したバイエルンの貪欲さ
バイエルンのボール支配率の高さは、パス本数の多さと成功率の高さに加えて、ボールを奪い返し続ける力の高さで成り立っている【写真:Getty Images】

 ボールを敵陣で奪い返すことが出来れば、先に示した11分の場面のように、即座に縦パスを入れて相手の急所を付くような攻撃を仕掛けることも出来る。

 また13分には、CKからのセットプレーを防いでカウンターに出ようとしたオムラディッチをアロンソが即座に潰したように、敵陣の深くで「貪欲」に奪いにいった結果ファウルを取られたとしても、自陣とゴールまでは距離があるため、十分に守備の陣形を整えることが出来る。

 いずれにせよ、バイエルンのボール支配率の高さは、パス本数の多さと成功率の高さに加えて、こうしたボールを奪い返し続ける力の高さがあって成り立っている数字なのである。

 そして、いわゆるポゼッションサッカーの要諦は、敵陣でパスを繋ぎ続けることよりも、ボールを奪い返す守備力にあるのではないだろうか。カウンターといった反撃に転じようとする相手の攻撃のチャンスの芽を紡ぎ続ける。

 必然的に相手に対して後方にスペースを与えてしまうのであれば、なおさらのことだ。そしてパスを繋ぎ続けることで戦意と体力を奪い、ディフェンスの隙を突いていく。

 逆に言えば、ボールを奪い返す力、玉際の強さといったディフェンスをおろそかにしては、パス・サッカーは成り立たないのではないだろうか。

【了】

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