豊富な人材を擁する前線。最適な組み合わせを見つけたい
昨シーズンはなかなか結果を出せずチームは低空飛行を続けた。夏には監督交代を決断。大榎克己氏をユースから昇格させ、清水はクラブのレジェンドに立て直しを託した。
最後まで残留争いを強いられたが、15位でフィニッシュ。J2降格は免れた。シーズン途中の就任ということもあり、大榎監督もすべてを整備できたとは言えなかったが、最低限の成果は残した。
ポジションが入れ替わる流動的な攻撃を目指したが、ゴトビ監督時代はポジションを固定しながらの攻撃だったこともあり、チグハグなままだった。それでも今季はスタートから指揮をとれるため、戦術の浸透度は高くなるだろう。
選手たちにとっても昨年の悔しさは大きいはずで、巻き返しの準備を着々と進めていることだろう。
とはいえ、抜けた選手の穴は大きい。ノヴァコヴィッチは前線の柱として、昨季も最大の得点源として活躍した。浦和レッズに移籍した高木俊幸も、そのスピード感溢れるプレーでチームを活性化させていた。
そんな前線にはピーター・ウタカとミッチェル・デュークを獲得。アタッカーの枚数が増え、大榎監督としてはどの組み合わせが最適なのか見極めたいところ。また、両外国人をチームのスタイルに馴染ませることも重要な作業。彼らの『個』で得点を奪えることもあるかもしれないが、長い目で見ればそれは得策ではない。
それだけに、大前元紀や村田和哉、新加入の澤田崇らにかかる期待は大きい。
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