スココ、ブレシアーノ、ルオンゴ。受け継がれる衣鉢
エンポリ在籍時からU-23代表オリルーズ(オリンピックとサッカルーズを掛け合わせた造語でU-23代表の愛称)に選出されたブレッシアーノは、01年に21歳でフル代表に選出される。
そのデビュー戦は、01年6月の日韓共催のコンフェデレーション・カップでのフランス戦で、当時のサッカルーズの中盤のクリエイティブな側面を担っていたヨシップ・スココとの交代出場だった。
4歳年上のスココとの交代でサッカルーズのデビューを果たしたブレッシアーノは、15年の時を経て自らが「スココに似ている」と評するルオンゴという新星の前に自らの引き際を悟った。
そう思って読み返すと、アジアカップ期間中の1月14日付のシドニー・モーニング・ヘラルド紙のセバスチャン・ハセット記者の署名記事の中のブレッシアーノのコメントは非常に意味深なものに思えてくる。
「ルオンゴはスココに似ている。スココのあのボールタッチの柔らかさ、ボディバランスやパスなんかにね。もし、彼(ルオンゴ)をサッカルーズの過去の名選手の誰かを引き合いに出して比較するなら、それはスココだ」
スココは、「黄金世代」で最もスキルフルな選手として誰もが認めたクリエイティブなMFとして鳴らした名選手。そして、彼より4歳若いブレッシアーノは、その彼の衣鉢を継ぐ選手としてサッカルーズにデビュー。
そして、自らがキャリアの黄昏時を迎えて相対した新星に、かつて自らがポジションを争った名選手の姿を見る――何とも、運命的ではないか。
「彼(ルオンゴ)は、僕がずっと高く評価してきた選手。彼のあのパスセンスを今までも見てきたけど、今(アジアカップ)、彼はピッチ上でそれを表現して、その能力を僕らは目の当たりにしている。僕には、それは驚きでは無い。彼にはこの調子で頑張ってほしい」
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