日本屈指の育成組織はクラブの宝
昨シーズン、東京Vは苦しい戦いが続いた。J2も6年目となったが、一番もがいたと言えるのではないか。三浦泰年監督が率いて2年目、ベテランの高原直泰や森勇介らベテランを外し、フレッシュな陣容で臨むも勝利がついてこない。
シーズン途中に監督交代へ踏み切ると、新たに就任したのはユースを率いていた冨樫剛一氏。全てが好転したわけではなかったが、何とか20位でフィニッシュし、J2残留を果たした。
今季も若手が主力を務めることになりそうだが、彼らの能力は高い。昨年は2度目となる最優秀育成クラブ賞を受賞したように、クラブの育成組織は今なお国内屈指。一方で有望な選手が成熟する前に他クラブへ移籍してしまうのも事実。
それでも、下部組織で育て、若いうちから積極的に起用していくしかないだろう。一見苦しい台所事情にも見えるが、安在和樹、安西幸輝、澤井直人らは試合に使われることで力をつけ、チームに貢献するまでになった。
冨樫監督がユース時代に指導した選手も多く、コミュニケーションは全く問題ない。今季はスタートから指揮を執ることもあり、戦術面でも上積みが期待できそうだ。
昨季の悔しさを晴らすには結果を残すしかない。いきなりJ1昇格は厳しい目標かもしれないが、一人ひとりが成長していけば、若いチームだけに飛躍的な進化が見られる可能性もある。
名門復活へ。今季はその足がかりとしたい。
2015シーズン 戦力入れ替え
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