鳥栖の藤田、松本の岩上らにもチャンスか
一方で、現時点では荒削りだが高い個の力を持っている選手もテストしていくはず。特に世界にも通用するサイドアタックを作り上げるには、組織的なベースだけでは厳しく、縦の突破力を備えた選手が必要になる。
またサイドバックであれば、自陣で守備をしていても、チャンスには数十メートルを短い時間で駆け上がって攻撃に幅と迫力をもたらす選手が求められるはずだ。
そうした武器を組織にうまく融合させ、90分戦える集団に仕上げていく。その成果として相手の長所を消しながら短所を突き、そこで自分たちの強みを発揮していくことができる。
個性派を一致団結して戦う集団に作り上げるのがハリルホジッチの流儀だ。アジア最終予選を当面の目標とするならば、そこまでに要求する戦術レベルに達しなかった時は才能があっても、容赦なく切り捨てる可能性がある。
ハードワークを厭わずハリルホジッチの戦術を忠実に実行できるユーティリティな選手と、荒削りだが個の力で違いを生み出せるスペシャルな選手。この2つの特性を持った選手を組み合わせ、厳しいトレーニングの中で融合していく。
そうした基準を満たす才能がJリーグで見出されれば、ザッケローニ、アギーレと続いてきた固定的なメンバーの序列を覆して主力に食い込む可能性があるということだ。
あくまで具体例だが、前者の条件を満たすタイプの選手はサガン鳥栖や昇格組の湘南、松本といったチームに目立っている。その中でテクニカルな能力も発揮している選手、例えば鳥栖の藤田直之、湘南の永木亮太や高山薫、松本の岩上祐三や岩沼俊介などはJリーグの活躍次第で目に留まっても何ら不思議ではない。
リスタートでの得点力にもこだわるため、ロングスローを武器とする藤田や岩上にはアドバンテージがあるかもしれない。