今までのメンバー外から抜擢する可能性も
日本サッカー協会(JFA)がボスニア・ヘルツェゴビナ出身のヴァヒド(母国語はワヒド)・ハリルホジッチ氏(以後、敬称略)を第一候補に契約交渉を進めていることが明らかになった。大筋で合意に達しているとも見られ、早ければ今月の中旬にも新監督が誕生するが、その人物像やサッカー観、基本スタイルに関しては世間に知られていないのが実情だろう。
今月27日に大分で行われるチュニジア戦、31日の東京でのウズベキスタン戦にはビザが間に合わない可能性が高く、選手選考でイニシアチブを取る時間が無いことから、これらの2試合は事実上の視察になると見られている。そこから6月にスタートするロシアW杯の2次予選まで、自身の目で見て新しいチームに加えたい選手を見極めていくはずだ。
Jリーグがもうすぐ開幕することもあり、まだ正式決定したわけではないことを承知の上で、読者のイメージアップのために、あまり知られていないハリルホジッチの選考基準と、それを満たす選手の一部を筆者の目線であげてみたい。
ハリルホジッチは東欧出身でフランスを拠点にしている監督らしく、基本的なスキルと戦術理解力を重視し、同時にハードワークと勝利のための献身を求める。もともと、そうした能力が高い選手が好まれることは間違いないが、スキルや身体能力に光るものがあれば、多少我慢して育てる度量もある。
実際コートジボワールやアルジェリアはもともと組織的なベースが高くはなかったが、限られた期間の中でしっかりと組織を植え付け、世界を舞台に強豪と互角以上に渡り合える集団を作り上げた。
日本の場合、もともと規律が高く、組織的なベースが作りやすいが、“ハリルホジッチの申し子”とも言うべき理想的な人材をこれまでのメンバー外から発掘するかもしれない。基本的なスキルが高く、勝利のためにハードワークできる選手だ。
またハリルホジッチは対戦相手との噛み合わせに応じて複数のシステムを使い分けるため、複数のポジションやシステムに適応できる選手は重宝されるだろう。