J屈指のボランチが残留を決意
取り組みの成果は昨年から表れていた。選手間の意識の共有も問題なく、ボールを持つ時は持ち、カウンターの鋭さも損なわれていなかった。自分たちが主導権を握っている、という手ごたえを持つ試合も多かった。
だが、それらが得点という目に見える結果に表れたかといえば、決してそうではなかった。昨季はリーグ戦ワースト3位の30得点に留まった。スペインで己を磨いた指宿洋史、リオ五輪世代の鈴木武蔵など注目のストライカーがいただけに、不本意な数字である。
それでも、積み重ねてきたものはあり、得点の増加も期待できる。指宿はある試合の後「もっともっと、センタリングを上げる人と中の意識を合わせていかないといけない。上げてはいたんですけど全然合っていなかったし、結局チャンスにならなかった。サイドまでは行けていたので、そこからの精度をもっと上げていかないといけない」と課題を口にすることもあった。だがゴールへの道筋は見えており、後は呼吸が合えばという段階だろう。
今季、ジュビロ磐田からは山崎亮平が加わった。キレのあるドリブルが特徴のストライカーで、前線を活性化させる力がある。昨季は磐田で39試合に出場し8ゴールを記録しているが、新潟でのさらなる進化に期待したい。
チームに欠かせない存在であるレオ・シルバは今年も大車輪の活躍が求められる。リーグ最高クラスのボランチは攻撃の起点になり、守備でも相手から確実にボールを刈り取る。読みも鋭く、数的不利の状況でカウンターを受けた時も彼が冷静に対処することで何度もピンチの芽を摘んできた。
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